I. 最近の動き
ドイツ統一記念日(10月3日)
1990年、統一条約が発効。原則として旧西ドイツ法秩序、EU法を全領域に適用。例外として経過規定、例えば妊娠中絶、環境保護水準など。壁の狙撃者問題。
先生のスカーフと民主主義
連邦憲法裁判所第2法廷、2003年9月24日判決。
原告はイスラム教徒の女性。宗教上の理由では、頭にスカーフをかけなければならない。学校の先生として就職を希望したところ、このことが学校内宗教活動と見られ、就職できない、との拒否処分。その処分に対する行政裁判所での訴えを提起し、連邦行政裁判所で敗訴。連邦行政裁判所の判決に対し、宗教の自由および平等の人権を理由に、本件憲法異議を提起。
憲法異議には理由がある。民主主義では、本件のような重要な問題については、立法者の判断(この場合には州法)が必要。単なる文部省の判断では、就職の可能性を拒否できない。
II. サッカーでの怪我:BGHZ63, 140(74年)
民法第823条第1項「故意または過失によって他人の生命、身体、健康、自由、所有権 その他の権利を違法に侵害した者は、それによって生ずる損害をその他人に賠償する義務を負う。」
Aはサッカー試合でBに怪我を負わせ、ルール違反か否かについて不明。
問題点:「違法に」?
違法性阻却事由:社会的妥当性・同意 。
立証責任についての討論:重傷・両方が同じリスク・確認が困難の場合が多い・自分の以前の態度に反する行為をすること(venire contra factum proprium)。
「通常事例方法」で検討:通常は、自分が有利となる事実に関して立証責任。ルール違反があった事実は、被害者に有利のため、Bの立証責任が原則。製造物責任の場合、この原則からの例外を認めるが、本件では例外を認める理由があるか。
III. 犯罪報道:BVerfGE35,202 (73年)(Lebach)
謀殺幇助、受刑後仮釈放の予定。ZDF(国営テレビ)がある番組を計画。この番組の放送停止を請求する訴えが本件。
請求原因:民法第823条「一般人格権」
損害賠償請求と停止請求。
論拠:放送の自由・テレビの影響力・視聴者の利益・犯人の責任・時間的制限・社会復帰・被報道者の性的傾向についての報道。
IV.営業所についての権利:BGHZ 62, 29 (73年)
Yが実用新案に基づき、Xに対し生産停止、損害倍所を請求。
しかし、当該実用新案は新規性がなかったため、無効。
XがYの要求に従った間に営業妨害により損害が生じたが「営業所に関する権利」侵害に基づいてYに賠償を請求。
問題は「故意または過失」。本件では、Yの弁護士は、当該実用新案が有効、と判断。その判断が明白に間違っているとは言えない。そのため、過失を本件では否定。
しかし、著作権、特許など知的財産権を主張する場合、常に損害賠償責任の可能性がある。
V.営業所についての権利:BGHZ65,325(75年)
被告の財団「Warentest」がスキーの閉め具をテスト、結果を公表。
テスト方法に諮問委員会の助言(製造者・販売業者・消費者・後の原告も)。
技術監査協会(TÜV)にテスト実施を依頼。
被告が結果を評価、原告の品物に低い点数。
停止・損害賠償の訴え。
侵害行為:「設立・稼働中の営業についての権利」。
違法性:営業に対する侵害の場合、積極的確認が必要。
客観的・中立・専門知識を備えて・憲法第5条・消費者保護。