連邦憲法裁判所第二法廷、2004年10月14日判決は、欧州人権裁判所の判決のドイツ国内効力について判断した。
事実関係:ある家族法事件(子供の親権に関する争い)では、欧州人権裁判所が憲法意義の原告の主張を支持する判決を下した。しかし、その事件を担当した高等裁判所は、欧州人権裁判所の判決はドイツ連邦共和国を条約当事者として拘束しているが、裁判所を拘束していない、との考え方を示した上に、異議者が敗訴する判決を下した。連邦通常裁判所は、憲法異議を認め、以下のように説明している。
① 確かに、欧州人権裁判所の判決は、ドイツ国内裁判所を直接拘束するものではない。また、刑事訴訟では1998年以来、欧州人権裁判所の判決が再審理由となっている場合を除き、確定判の既判力を破る理由にはならない。② しかし、ドイツ憲法は「国際法に開かれている」「国際人権基準を尊重する」構成を採っている。③ そのため、欧州人権条約が国内連邦法律と同様のランクであるが、国内裁判所は欧州人権裁判所の判断を最低限でも検討し、その判断に従うことができない場合(例えば、欧州人権裁判所手続きでは当事者にならない相手当事者の人権保護のために不可欠である場合)、その理由を説明しなければならない。④ 本件高等裁判所判決が欧州人権裁判所判決を無視した点は、憲法6条(家族に関する人権)を侵害する。