連邦通常裁判所第1民事法廷2004年4月1日判決は、WWW上の新聞記事に含まれているリンクに関する責任について判断した。
この事件では、オーストリアで許可を受けた上にドイツでもインターネット上でスポーツ賭博を提供する企業についての記事が問題となった。その記事にはその業者のインターネットページへのリンクが含まれていた。
原告はドイツ国内で許可を受けてスポーツ賭博を提供する企業である。被告に対し不正競争防止法違反を主張した。
しかし、本件記事は競争目的で書かれたものではない。記事の目的は単に読者に情報を与
えることであった。
また、ドイツ刑法第284条違反の幇助として当該リンクが違法であった可能性については、この判決は消極的に判断した。リンクの場合、リンク先が明白に違法である場合はともかく、本件ではヨーロッパ法におけるサービスの自由との関連で違法性に多くの疑問がある。そのため、被告には当該リンクを止める義務があるならば、言論の自由(憲法第5条)違反となる。
検討:本件ではリンク先の違法性について議論の余地があったが、逆にリンク先のページが明らかに違法である場合(例えば、猛毒を効率よく製造する技術を教えた上に、それをテロ活動に使うように呼びかけるページのような場合)については、今回、判断されていない。しかし、本件判決はある程度の注意義務を認めているため、そのような場合には責任が成立する可能性もある。
そのように理解する場合、テロ関係の報道については慎重になる必要が生じる。例えば、イラクで人質が殺害された事件について、犯人側が声明文・殺害撮影ビデオを公開するために使うページの宛先を記事に載せることが危険となる。
明白に当該ページを支持しないことを断った上にリンクを張った場合、責任を否定しなければ、インターネット上の議論に極めて重大な冷凍効果が生じるため、その際の注意義務を連邦通常裁判所の本件判決の判断と異なって認めるべきではない。
I. 最近の動き
ソフト特許法に関する指令案に関する議会投票(9月24日)
swpat.ffii.org/news/03/plen0924/。
2002年2月20日の指令案。
問題の所在:例えばAmazon.comの1click、open source。
欧州特許条約第52条、欧州特許条約とEUの関係。
日米での扱い、欧州特許条約での扱い。
ソフト特許を認める理由:平等問題の理由、日米との関係。
問題点:間接的には金融業界、その他すべての分野に特許制度を拡大、相互妨害、著作権保護との関係。
今回の議会判断:特許性を大幅に限定。指令案を実質的に拒否。
II. 今週のリンク
III. 第1章 総論 第1節 インターネットの特徴
1.インターネットの発展(前期「法情報リテラシー」から)
www.isc.org/ds/
インターネットに名前が登録されたコンピュータの数:
81年8月213、83年8月562、85年10月1961、86年11月5089(host table時代、以下はDNS時代)、87年2万8千、89年8万、91年37万、93年131万、95年485万、97年1614万、99年4323万、2000年7239万、2001年109,574,429、2002年 147,344,723, 2003年171,638,297。Mooreの法則より展開が更に早い。但し、最近は多少の減速。
www.zakon.org/robert/internet/timeline/
年表
57年:ソ連が人工衛星を打ち上げ。アメリカがARPAを設立(Advanced Research Projects Agency)。
69年:ARPAネットが稼動。
72年:Eメールの導入、最初の殺し屋利用法。
72年:Telnet導入(RFC318)。
73年:FTP(File Transfer Protocol)導入(RFC454)。
79年:Usenet導入。
82年:ARPAネットがTCP/IP(Transmission Control Protocol, Internet Protocol)を導入。
84年:DNS(Domain Name System)導入。
85年15日:symbolics.comが最初の.com領域名として登録。
88年:Internet worm事件、6万中の6千のコンピュータが被害を受ける。
91年:WWW(world wide web世界規模通信網)が導入、90年代の殺し屋利用法に。
91年:PGP(pretty good privacy)暗号ソフト。
2.中心管理がない
軍事ネットから発展した関係、核兵器攻撃を受けても、残った部分が稼動できる発想。
例外:DNS。
歴史的にみて、インターネットはアメリカが開発・コントロールしたが、今はアメリカの考えだけで規制できない。様々な問題に関して国際的な同意が必要となる。
3.世界規模
そのため、どの国の法律を適用するか、「国際刑法」、「国際私法」の問題領域で新しい事例が発生。交通事故、殺人事件、麻薬犯罪などの場合と異なる。
4.低いコスト
従来の印刷・放送と比べて、情報発信が只同然。
そのため、個人も意見を主張する機会が増加。
特に最近は、Blog(ブログ)方式による議論が沸騰している。
5.物理的の危険が伴うことがない
汽車、電車、車、原発など様々な新しい技術には、事故の危険が伴うため、危険責任制度の導入など対策が必要であったが、インターネットの場合、物理的な事故の可能性が少ない。
但し、安全確保措置(例えば空港の着陸・離陸管理、列車の信号など)をインターネットにつながったため、故障が生じる場合は別であるが、当然、インターネットから影響を受けないように設定すべき。
6.匿名性、相手に関する情報が少ない
例えば掲示板で発言する場合、適当に決める仮名しか情報を与えない。実際の討論会なら、顔その他多くの特徴を明らかにする。
ziplip.comなどを利用する場合、匿名でメールを発信・受信できる。更に、只のホームページ掲示サービスを利用する場合、匿名でホームページを出すことが可能。
「人の影が薄い世界」。
7.有線通信
テレビなどと異なって、誰が何時、どのホームページを見たかの情報を残し、蓄積し、分析することが比較的簡単。そのために、データ保護問題が発生。